道路で遊ぶようになったのはなぜ?〜問題を受けての各地の取り組み〜

放課後、児童が下校した後に校門が施錠されるようになった」という話を見聞きしたことはないでしょうか。

グラウンドが開放されなくなった背景には様々な要因が考えられますが、子育てに限らず、社会を取り巻く環境は急速に変化しています。自分達が子供だった頃に当たり前だったことがいつまでもそうであるとは限りません

とは言え、これではもしも公園が近くにない場合は困ってしまいますよね。

小学校を開放する取り組み

現代において校庭の開放は一つの事業として捉えられていることがあります。


東京都中野区 校庭遊び場開放事業
大阪府箕輪市 自由な遊び場開放事業
兵庫県芦屋市 芦屋市放課後プラン事業(子ども教室型放課後対策)
など

これらの事業は子供の安全面などを考慮した結果、監護者として管理者や指導員を募り、配置した上で開放している場合が多いようです。見守ってくれる大人が付いていてくれるなら安心できますし、ありがたいことですよね。
もちろん、今でも従来のように開放している学校もあります。

国の取り組み

また、文部科学省の取り組みとして放課後子供教室なる施策もあります。

子供たちに関わる重大事件の続発など、青少年の問題行動の深刻化地域や家庭の教育力の低下等緊急的課題に対応し、未来の日本を創る心豊かでたくましい子供を社会全体で育むため、文部科学省では、平成16年度から平成18年度まで緊急3か年計画として「地域子ども教室推進事業」を実施しました。
具体的には、地域の大人の協力を得て、学校等を活用し、緊急かつ計画的に子供たちの活動拠点(居場所)を確保し、放課後や週末等における様々な体験活動や地域住民との交流活動等を支援するものです。

その後、平成19年度より、「地域子ども教室推進事業」と踏まえた取組として、国の支援の仕組みを変更した補助事業である「放課後子ども教室推進事業」を創設しました。
本事業は、小学校の余裕教室等を活用して、地域の多様な方々の参画を得て、子供たちとともに行う学習やスポーツ・文化活動等の取組を支援しています。具体的な活動内容は地域によって様々で、各地域で決めていただきます。事業の主な実施主体は市町村となっており、国は各地域での取組に対し支援(予算補助)を行っています。

文部科学省・厚生労働省 放課後子ども総合プラン連携推進室【放課後子供教室について】より

これは小学校の校庭を自由に遊べる場所として開放するだけでなく、空き教室を使って読み聞かせや紙芝居などの文化活動、プールや体育館を使ってのスポーツ教室などの放課後活動を予算補助により支援してくれるというものです。

このような支援事業をうまく利用することで、自治体と連携した「子供の遊び場作り」を改めて考えてみるのも良いのではないでしょうか。

ホームページでは実際に各地でどのような取り組みが行われているかを見ることもできますので、参考にしてみてください。

地域で子供を育てるということ

確かに子供達を守る為のルールによって、子供達の遊ぶ場所は減ってしまったかもしれません。

「申し訳ない。」と感じるかもしれません。
「子供達が可哀想。」と感じるかもしれません。
しかし、憂いているだけでは何も変わりません

一方で安全に子供達が遊べる場所を新たに作ろうとする取り組みを進めている大人達がいるのもまた事実です。そして、その実現のためには地域住民の協力が不可欠なのです。

今昔ご近所付き合い

日本には古くから子供は地域で育てるものといった風潮があります。

かつてのご近所付き合いは今よりずっと密で、冠婚葬祭から何から「お互い様」で協力し合うのが常ですから、子供がお手伝いをしてくれたら褒め、子供が悪戯をすれば叱りとまさに家族ぐるみのお付き合いです。

うちも迷惑を掛けてるんだから、お互い様

そんな時代背景があってこそ許容され、成り立っていたのが路上遊びなのです。その部分だけを切り取って成立させようとするのは土台無理があると思いませんか?

時代はめまぐるしく移り変わり、社会全体のあり方もまた、良くも悪くも変わっていくのです。それは子育てを取り巻く環境においても例外ではありません

昔はみんな子供でした

私たち大人にも当然子供だった時期はありますから、大なり小なり周囲の大人を煩わせることもあったでしょう。

そんな時に子供である私たちの代わりに頭を下げ、場合によっては私たちにも頭を下げさせ、それからその理由を納得できるまでこんこんと説いてくれたのは誰だったでしょうか。
何が正しく、何がいけないことなのかを教えてくれたのは誰だったでしょうか。

まず第一にご両親を始めとする身内ではありませんでしたか
よく言われる古き良き時代においては、そんな考えに準じ、周囲の大人も子供を見守ることができたのではないでしょうか?


「子供に言っても分からない」いいえ、そんなことはありません。

子供は大人が思っている以上に親を始め大人の行動をよく見ていますし、考えることもできます。中でも一番身近にいる人物の言動というのは、その子のこれからの人生においてあらゆることに対する基軸となる場合が多いですよね。

道路で遊ぶのは危険です。

人の物を傷つけてはいけません。

人を傷つけてはいけません。

分かりますよね。再三教えられてきたことです。
そうして学ぶことで子供は分別をわきまえた大人へと成長することができるのです。

道路で遊ぶと車が来る。でも向こうが避けるから問題ない。

人の車を傷つけた。でも自分には関係ない。

注意された、親が相手を怒鳴りに行った。だから自分は悪くない。

基軸によっては、何が悪いのか分からないまま子供は大人へと成長するでしょう。
道路族問題を取って見れば、「命の危険に関わること」と「他者との関わり合い方」という点で一般常識から逸脱した考えにもなりかねません。

子供がのびのびと遊べる環境を守ること」と
子供が思うままに自由に遊ばせること」は似て非なるものです。

子供の将来を思えばこそ、今一度、道路族問題をきっかけに考える機会になれば幸いです。

ここまで書いておいてなんですが

どこで遊べばいいの!?」問題について答えるべく、2記事に渡って自治体の対応や対策について調べてきました。

ところで

道路族実勢調査アンケートによると、およそ84%の道路族被害者が

公園の有無に関して:
『大・小公園豊富で遊び場がないとはとても思えない』
『大きくはないがそこそこ公園や遊び場はある』

と回答しています。

…え?あるんですか?

いえ、もちろん本当に公園などがあまりない地域もあるのでしょうが、
近くに公園などがあるにも関わらず、わざわざ道路で遊んでいるケースも少なくないようです。というよりはむしろ道路族と呼ばれるまでに至った所以でもありますから、不可解と思いこそすれ妥当な結果かもしれません。

最後に

以前テレビの情報番組で「道路族問題」が取り上げられた際、子供を道路で遊ばせている保護者がインタビューで答えていた内容をご紹介します。

公園まで行くのが面倒くさいときは家の中に居させるよりは家の前に出したほうがいいかなと思って」

(フジテレビ系列「ノンストップ!」 2014.7.8放送分より)

実の所は、この言葉に尽きる気がしますね…。

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